【Z900RS】リンク周りのグリスは何がおすすめ?EPグリスの選び方と注意点
サービスマニュアルでは、リンクロッドやロッカーアームのベアリングに、
「ベアリングにグリスが封入されているため潤滑は不要」と書いてあります。
バラしたタイミングで、カワサキプラザのテクニシャン(メカニック)の方にアドバイスを求めたら、
「洗浄の仕方はウエスで拭くか中性洗剤」
「元々グリスがあまり入っていないので、開けたタイミングでグリスアップしたほうが良い」
と教えて頂きました。(素人判断でベアリング内部にパーツクリーナー噴いたら樹脂がやられてしまい、ベアリング交換に行った時に教えて頂きました)
リンク周りはそんなにメンテしないと考えると、「よりよいグリスを!」と思いグリス選びに拘って見ようと思いこの記事に至ります。
リンク周りのグリスは何がいいのか?

二硫化モリブデンがゴムに攻撃性はないと理解した上で、
リンク周りに関してだけ言えば「極圧グリス(EPグリス)」がおすすめです。
(二硫化モリブデン配合だと、なお良い)
※モリブデングリスちゃうんかーーい!って感じですが、EP性能が弱い物もあるので、EPグリスとしました。
特にリンク周りは、荷重がかなりかかる、ベアリングの回転数は低い、砂・泥・水が来るのでこういう場所は教科書的にも極圧性能(EP)があるグリスや、固体潤滑剤入り(二硫化モリブデンなど)がおすすめされています。
ものすごい荷重がかかった時でも焼き付かない性能 のこと。
グリスの油膜がつぶれて「金属同士が直接触れそう!」ってなったときに、
それでも かじり(焼き付き)や摩耗を防ぐ力のことです。
また、MoS₂も同じような働きをしてくれますが、厳密にはEP添加剤とは別枠の固定潤滑添加剤です。
そもそもグリスとは?3要素(ベース油・増ちょう剤・添加剤)
グリスは基本3つで出来ています。
- ベースオイル(潤滑する主役):鉱物油/合成油
- 増ちょう剤(スポンジ役):油を保持してグリス状にする
- 添加剤(味付け):EP剤、防錆、酸化防止、固体潤滑剤(二硫化モリブデン)など
大雑把に書くとこんな感じです。一個づつ見ていきます。
ベースオイル(潤滑する主役)
グリスの中身の大半はベースオイル(基油)です。
実際に金属同士の摩擦を減らして潤滑している主役はこの油で、鉱物油や合成油などが使われています。
つまり「グリスで潤滑している」と言っても、本質的には油で潤滑しているというイメージが近いです。
増ちょう剤(油を保持するスポンジ役)
ベースオイルだけだと流れ落ちてしまうので、油を保持して半固体にしているのが増ちょう剤です。
イメージとしては油を抱え込むスポンジみたいな役割です。
この増ちょう剤の種類によって、グリスの性格(耐水性・耐熱性・長持ち度)がかなり変わります。
リンク周りのような
- 高荷重
- 低速回転
- 水・泥・砂が入りやすい
という環境では、この増ちょう剤のキャラがかなり効いてきます。
添加剤(性能を底上げする味付け)
そして3つ目が添加剤です。
防錆剤、酸化防止剤、固体潤滑剤(モリブデンなど)や、極圧性能を上げるための添加剤がここに入ります。
ここで大事なのは、よく聞く「EPグリス(極圧グリス)」という呼び方は、主にこの極圧添加剤(EP添加剤)が入っているグリスのことを指す場合が多いという点です。
つまり、
EPグリス = 増ちょう剤が優秀なグリス
という意味ではありません。
EP添加剤が入っていても、増ちょう剤の種類によっては「耐水性が弱い」「シール周りで持ちが悪い」など、リンク周りに向かないこともあります。
だからこそ次の見出しでは、リンク周りで失敗しにくいように、EPグリスを選ぶうえで重要な“増ちょう剤(ベース)”のおすすめを整理していきます。
リンク周りのEPグリスのベース(増ちょう剤)おすすめ
リンク周りは、EP性能だけ見てもダメなので、耐水性・保持性が重要と考えます。
そこに効くのが増ちょう剤です。
それではリンク周りに最適な耐水性と保持性がある増ちょう剤を見ていきます。
1位:カルシウムスルホネートコンプレックス
- 耐水・防錆・EP(極圧)が強いのが売りで、まさにリンク周り向けです
- CaSuXは「EP抵抗が優れる」ことが特徴として解説されてます
2位:アルミニウムコンプレックス
- 水はけ(耐水)に強い+EP剤で高荷重対応という設計が多い
- 協同油脂の説明でも「水に強い」「EP剤で高荷重に使える」と明記
- 僕が使ってるグリス「プリマルーブ1号」はこれ
プリマルーブ1号はどんなグリス?
・アルミコンプレックス系
・EP添加剤+MoS₂+グラファイト
・水・荷重・揺動に強い
・重機系に使われるグリス
= リンク周りに最適なグリス
3位:リチウムコンプレックスEPタイプ
- 入手性が良く、ちゃんとした銘柄なら耐水・EPも実用十分です
- 迷ったら「リチウムコンプレックスEP」を選ぶのも全然あり(※銘柄差はある)
まとめ:リンク周りのグリス選びは「EP+耐水」がおすすめ
ここまで読んでいただきありがとうございます。
サービスマニュアルでは「ベアリングにグリスが封入されているため潤滑は不要」とされていますが、実際に分解整備する機会があるなら、カワサキプラザのテクニシャンの方のアドバイス通り清掃とグリスアップを行う価値は大きいと僕は感じました。
- 高荷重
- 低速回転(揺動)
- 水・泥・砂が入りやすい
という厳しい環境なので、万能グリスよりも極圧性能(EP)と耐水性能があるグリスの方が相性が良いと考えています。
さらに可能なら、二硫化モリブデンのような固体潤滑剤入りだと、より安心材料になります。
ただし、ここで悩ましいのが「じゃあ具体的にどの商品がいいの?」という話ですが、
僕が使っているのはプリマルーブ1号というグリスなのですが、入手性が悪いため紹介出来ないというのが一つと、
正直に書くと、リンク周りのベアリングに合う条件のグリスの特性は理解したものの
「じゃあどのグリスがおすすめ?リンク貼って?」と言われると、
「使った事がないものは、安易におすすめできない」ので
そのため本記事では、無理に「このグリスおすすめ!!」と断定せず、リンク周りに最適な構成の失敗しにくいグリスの条件をまとめる形にしました。
- 「EP(極圧)」または「極圧」表記がある
- 耐水性に言及がある
- 可能なら固体潤滑剤入り(二硫化モリブデンなど)
- 増ちょう剤は
カルシウムスルホネートコンプレックス > アルミニウムコンプレックス > リチウムコンプレックスEP
の順でおすすめ
とにかく「失敗したくない」「すぐ買えるものがいい」という方は、バイク用品で定番の デイトナ 万能グリス を選んでおけば大きく外しにくいですし、色々な箇所に使えるので1本持っておくのをおすすめします。(僕も持ってる)
ただし、リンク周り用途としては本記事で解説した通り EP性能・耐水性・保持性を重視した極圧(EP)グリスの方が相性は良い ため、余裕があればEPグリスを選ぶのがおすすめです。
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👇️最後に重要な注意点です。👇️
- ベアリング内部の潤滑剤は封入されている前提なので、追加する場合は入れすぎない
- 異種グリス混合は性状変化の可能性があるため、できる範囲で古いグリスを拭き取ってから
- パーツクリーナーは樹脂やシールを傷める可能性があるので避ける(実体験)
リンク周りは足回りの重要部品なので、少しでも不安がある場合は無理せずバイクショップに依頼しましょう。
それでは、リンク周りのベアリングに使うグリスアップに悩んでいる方の力になれれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた!

